識別性と統一感
例えば電子レンジには「操作音」「スタート音」「あたため完了音」「エラー音」などが使われます。各々のサウンドは別々のメッセージを表しますから、それぞれの音は区別できなければなりません。 一方でこれらはど…
ここでは実際の音作りの参考になるであろう音響的/音楽的知見について紹介します。音は物理的に極めて多面的であり、また人間の音の捉え方にも多面性があります。
認知的・心理的研究は音のある断片について実施せざるを得ず、すなわちここにあげる知見のみから、各プロダクトのデザイン最適解を見出すことはできませんが、しかしこれらはデザインの過程において拠り所となり、また何よりデザインの理由を説明する根拠となるでしょう。
例えば電子レンジには「操作音」「スタート音」「あたため完了音」「エラー音」などが使われます。各々のサウンドは別々のメッセージを表しますから、それぞれの音は区別できなければなりません。 一方でこれらはど…
音のどんな要素を利用してUIサウンドをデザインするか。 Blattnerは基本的な音響要素として、高さ、音色、(発音の)時間パターン,大きさ,方向,の5つを挙げましたが(※1)、筆者は、UIサウンドの…
識別しやすく、覚えやすい音をデザインするには、どうすればよいでしょうか。 複数の音を作るにあたり、音のどの要素を変化させると各々の音の識別性や覚えやすさが増すのか、「時間パターン」「音色」「(単一の)…
高さの違う2つの音を並べた2ピッチパターンはUIサウンドにとても使いやすい特徴です。音程(高さの差)がもたらす印象をメッセージの表現に利用する方法です。 「ドミソ」は明るい感じ、「ドミ♭ソ」となると暗…
実際に利用されている(2000年以前収集)サイン音164種類について、サイン音の機能イメージ(メッセージ)、擬音語表現、と音響特性の関係を探った研究があります。これによると、以下のような特徴がみられま…
メロディーを使って開始感、終了感、警告感を表現するための幾つかの方法を紹介します。 基本となるメロディーにアレンジを加えることで、開始メロディー、終了メロディー、警告メロディーを派生的に作ることを試み…
大阪の地下鉄では、サインメロディーとしてメッセージカラオケが使われています。それは何かって?メッセージである歌詞が乗るようにメロディーが作られているにもかかわらず、歌詞は歌われずメロディーだけが利用さ…
危険を知らせる信号音には以下の考慮が必要であるとされています(※1)。 ①種々の騒音下において検知されやすいこと ②高齢者など広い年齢層を対象にしても検知されやすいこと ③音が検知された場合、それが何…
操作反応音、特にタッチパネルでのボタン押下音として、どんな感じの音がいいのか。ベル、マリンバ、オルガン、Pad系などの音色を使って調べたところ、以下がよいようです。 音の立ち上がりが早い 適度に高周波…
操作反応音、特にボタンを押下したときになる音は、長すぎてはよくありません。間延びします。 現在はJIS S 0013の「受付音」が使われることが多く、これは「ピ」と言い表せるような音です。下の左図にそ…
ボタン押下音に限らず報知音全てについて、JISでは「2.5kHz以下の周波数を採用することが望ましい」とされています。これは加齢による聴力低下に配慮した指針です。以前は4kHzという高い「ピ」音もよく…
操作反応音は基本的には「操作が受け付けられた」というメッセージを表しますが、「“何の”操作が受け付けられた」というように操作の意味までをもメッセージに含んだ操作反応音も利用されることがあります。例えば…
音色の印象を表す言葉を分析した結果によると、音色についての印象語は3つの独立した因子に集約されるとされており、これらは「美的因子」「金属性因子」「迫力因子」です(※1)。私たちが実施したサイン音(UI…
UIサウンドは製品のためのサウンドですから、製品デザインについてのキーワードを用いて音のデザインも同時に語ることができればよいと考え、製品デザインに関する形容詞(「機能美」「精密感」「高級感」など)を…
UIサウンドにある印象を持たせようとしたとき、具体的にはどのような音響特性を持たせればよいのか。自動車のシートベルト・リマインダーを対象にした研究ですが、高級感や快適感にアプローチしたものがあります。…