プロダクトのUIサウンドデザイン入門 for UX - ui sound for ux

2.サウンドデザインの発注

コミュニケーション

■サウンドデザイナーとのコミュニケーション

技術者の中にはデザイナーと仕事をすることを難しく感じる方もいるでしょう。バックグラウンドが異なると使う言葉が違ってきます。加えて、音は言葉で表すのが難しい対象ですからなおさらです。

しかし安心して下さい。具体的にどういうサウンドであるべきかを考えるのはサウンドデザイナーの仕事です。技術者が伝えるべきことは、デザイナーが考えるための材料です。それは先に挙げた対象機に関する情報とUIサウンドを使う目的です。

技術者は、デザイナーは感覚で制作すると思っているかもしれませんが、そうではありません。「感覚で作る」と言うデザイナーもいますが、ここで言う「感覚」には実際には根拠があるのです。けっして当てずっぽうではなく、音源や音場がどんな音色や音質を生み出すかの知識と経験に基づき、あるいは音楽的な知識と体験に基づき、音が使われる目的や状況に見合ったサウンド作成を行っています。

技術者は情報を充分に提供し、目指す方向性を妥協なく伝える必要があります。そしてデザインの根拠を言葉として聞き出す努力をする必要もあるでしょう。一方のデザイナーは、説明する努力をする必要があるでしょう。

■イメージの共有

「クールな音色」と言われてどんな音をイメージしますか?イメージを具現化すること、それを共有することはとても難しいものです。まず前提として「イメージ共有にはコミュニケーションが必要」と認識しましょう。

発注時には、言葉を尽くす、写真や動画を使って説明する、また参考になる音楽や音色を用意できればかなり話は早くなるかもしれません。ともかくできる限り多面的に説明を試みることが大切になります。

一方で、サウンドデザイナーには早い段階でサンプルのサウンドを幾つか提示してもらうように依頼しましょう。示された音がイメージと異なると感じた場合は、それを正直に伝えることが大切です。もちろんイメージに近い音があればそれを具体的に伝えます。

このようなやりとりを何度か行うことで、イメージの共有が図れるようになるはずです。サウンドデザインにおいて、このための時間を予め想定しておくことが大切になります。

■サウンドの基本を知る

技術者も音や聞こえの基礎的用語、またサウンドが満たすべき要件についてある程度の知識を持ち、その上でサウンドデザイナーとコミュニケーションを取ることができると、なお作業はスムーズに進むと思います。本サイトの「サウンドデザイナー編」および「サウンドデザインノウハウ」をぜひご一読頂けたらと思います。