2.メッセージの表現
メッセージを表す擬音語と音響特性
実際に利用されている(2000年以前収集)サイン音164種類について、サイン音の機能イメージ(メッセージ)、擬音語表現、と音響特性の関係を探った研究があります。これによると、以下のような特徴がみられました。
- 「操作」(操作反応音)は、ピッ、プッ。継続時間は180ms程度
- 「警報」は、ピピピ、ビー、等(繰り返し、長音)継続時間は1300ms程度。繰り返しの周期は130~350ms。ビーなどの音色は、広い周波数範囲と周波数成分が豊富。
- 「警告」はビー。基本周波数が低く、倍音が豊富。警報ほどは音の長さは長くない。
警告感を高めるためには広域の周波数成分を多くする。倍音関係にない周波数成分を含ませる。 - 「呼出」はピリリリ。基本周波数とスペクトル重心が他と比べて高い。20~90msの周期の周波数変調音や振幅変調音が多い。
- 「報知」はプロロロ、ポロロロ。あるいはジャーン、ファーン。ゆっくりした立ち上がりの音。呼び出しのように周波数変調や振幅変調が利用される。基本周波数とスペクトル重心は低い。「開始」「要請」とも感じられる。
- 「終了」はチーンなど残響が長い。もしくはピーピーピー。
UIにおいてはスタンダードを外さない、ということも重要な観点でしょう。
※
岩宮, 山内:サイン音の機能イメージ 擬音語表現と音響特性, サイン音の科学(岩宮眞一郎著), コロナ社, pp15-21, 2012