プロダクトのUIサウンドデザイン入門 for UX - ui sound for ux

4.イメージ(印象)の表現

音色因子とUIサウンドとしてのふさわしさ

音色の印象を表す言葉を分析した結果によると、音色についての印象語は3つの独立した因子に集約されるとされており、これらは「美的因子」「金属性因子」「迫力因子」です(※1)。私たちが実施したサイン音(UIサウンド)の印象に関する分析でも、これと同様の因子が抽出されました。

その上でサイン音としてふさわしい音は、美的要素が高く、またどちらかというと金属性因子も高めの音であるということがわかりました(※2)。

美的因子はスペクトルの密度と関係し、倍音数が少なく、特に高次倍音のレベルが小さいほど音色はきれいになります。また金属性因子はスペクトルの帯域幅と傾きに関係し、帯域が広がりスペクトルエンベロープの傾斜が正方向に傾くと、鋭い音色になることがわかっています(※1)。

※1
岩宮:音の感性-感性に訴える音のチカラ, 音響の基本と仕組み(岩宮眞一郎), 秀和システム, pp82-87, 2007

※2
佐田, 広畑, 和氣他:サイン音の心理的分析と音色イメージスケールの作成, 音響処理学会 2011年秋季研究発表会予稿集, 発表番号 1-7-2 (2011)