プロダクトのUIサウンドデザイン入門 for UX - ui sound for ux

1.一そろいのサウンドデザイン

識別しやすく、覚えやすい音

識別しやすく、覚えやすい音をデザインするには、どうすればよいでしょうか。
複数の音を作るにあたり、音のどの要素を変化させると各々の音の識別性や覚えやすさが増すのか、「時間パターン」「音色」「(単一の)高さ」について比較する実験を行いました。その結果、

確かに音の【高さそのもの】(絶対的な高さ)は、絶対音感がある人以外はなかなかわかりにくく、また覚えにくいと思います。ただし「ミド」「ドソ」などと音の【音程(高さの差)】を使ったときはこの限りではないでしょう(この【音程(高さの差)】の利用については別記事に記します)。

ところで、この時間パターンや音色に違いをつけるのが有効という結果は、擬音語にしやすいサイン音は「覚えやすく」「識別が容易」という報告(※2)にも合致しそうです。擬音語表現というのは、人間が音を記憶し識別する際の、一つの側面を反映したものと考えられています(※3)。

また、ここまでの説明にも多くの擬音語を使ってきたように、擬音語にしやすいサイン音は「マニュアルへの表記」にも役立ちます。これは特にコンシューマー向けのプロダクトにおいては考慮すべき点でしょう。

※1
和氣, 上窪, 福住他: 音響インタフェース設計手法「報知音多次元設計手法」確立への一考察, 電子情報通信学会論文誌D-II Vol.J82-D-II No.10 pp.1721-1728, 1999

※2
岩宮:サイン音の擬音語表現, サイン音の科学, コロナ社, pp10-15, 2012

※3
山内:擬音語を利用したサイン音評価、音色の感性学(岩宮眞一郎編著), コロナ社, pp180-185, 2010