プロダクトのUIサウンドデザイン入門 for UX - ui sound for ux

3.操作感のデザイン

ボタン押下音のエンベロープと長さ

操作反応音、特にボタンを押下したときになる音は、長すぎてはよくありません。間延びします。

現在はJIS S 0013の「受付音」が使われることが多く、これは「ピ」と言い表せるような音です。下の左図にそのエンベロープを示します。JISは「電子ブザーで表現しやすい一定の周波数による報知音」を対象としており、それはつまり急に鳴り始め急に鳴り終わるという矩形エンベロープです。そしてここでは音の長さは100~150msと定められています(※1)。

一方、減衰系のエンベロープの場合は、下右図に示すようにアタックが0~20ms、ディケイ50~100msで、全体として60~110ms程度がボタン押下音としてふさわしい(押した感がある)ということが我々の実験からわかりました。

ただし、これらはあくまでも目安だと考えてください。JISに加えて上記実験も一定周波数のサイン波を用いたものですから、実際にはどのような音色使うかによって、調整が必要になるでしょう。またエフェクトの利用当の考慮もされていませんから、リバーブなどを用いた場合は波形の長さとしてはもっと長いものにもなるでしょう。

※1
日本規格協会:「JIS S 0013 高齢者・障害者配慮設計指針 - 消費生活製品の報知音」(2011)

※2
今井, 和氣他:タッチパネルにおける押下感を付与する操作反応音の条件導出, 日本音響学会2015年秋季研究発表会,1-5-5, pdf4pages, 2015