2.メッセージの表現
メロディーでのメッセージ表現
メロディーを使って開始感、終了感、警告感を表現するための幾つかの方法を紹介します。
基本となるメロディーにアレンジを加えることで、開始メロディー、終了メロディー、警告メロディーを派生的に作ることを試みました。それぞれにメッセージを表現しながらも、サウンドセットとしての統一感は保つことができる方法です。
2小節のメロディーの終止部分と、テンポや長さをアレンジして評価したところ、以下のようなアレンジ方法が使えそうです。
(1)開始感のデザイン
- (終了音に比較して)短めのメロディー
- メロディー終止部が上昇フレーズ
- 終止の最終音は調の基音ででなくてもいい
- メロディー終止部がアッチェレランド(だんだん速く)
開始音終了部の音程変化 | |
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1位 | ラシド |
2位 | ミファソ |
3位 | ドレミ |
(2)終了感のデザイン
- (開始音に対して)長めのメロディ
- 調の基音での終止(上昇フレーズでも下降フレーズでもよい)
- 終止時に基音を複数回発音して誇張する(同音フレーズ)
- 終止部がリタルダンド(だんだん遅く)
終了音終了部の音程変化 | |
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1位 | ミレド |
2位 | ドドド |
3位 | ラシド |
終了音終了部の音程変化 |
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2小節目(メロディ最後部)のテンポをだんだん遅く |
基本メロディ(2小節分)そのまま |
基本メロディの最後に「4分休符+ド」を付加 |
(3)警告感のデザイン
- 等音価の並びとする(メロディの音価を全て八分音符にするなど)
- 速めのテンポ
- 不協和音の利用
警告音 | |
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1位 | メロディの音価を全て8分音符にし、 さらに不協和音となる音程を 全ての音符に重ねて発音し不協和音とする |
2位 | テンポを全体的に速くする(実験時は250) |
3位 | メロディの音価を全て8分音符にする。 |
※
森下, 和氣, 三木, 織田:サイン音セットの自動生成システム ~開始, 終了, 警告を表すメロディ要素の導出と自動生成~, 情報処理学会 第69回全国大会予稿集5N-7, 2007